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オールド・モダン楽器に詳しくなろう!


みなさんの中には「高級なバイオリン=オールド」というイメージを持っていらっしゃる方も多いでしょう。

全く間違いではありませんが、その考え方には注意が必要です。必ずしも、「古ければ古い程、高級である」という訳でもありませんし、同じ年代に製作されたものであっても、作家や製作された地域が異なれば、大きく価格が違うこともあるからです。 

新作ではなく、オールド楽器が欲しいという方は、間違った買い物をしないよう、基礎的な知識を持って購入されることをお奨めいたします。 そんなお客様に少しでもお役に立てるよう、基礎知識として以下をご紹介します。
1. 年代と区分 〜オールドとモダン〜

オールド (Old)

1800年以前に作られた楽器を指します。情報の伝播が十分でなかった時代であり、製作された地域や流派(スクール)によって、作風の違いが明確です。この時代に、名器と呼ばれる楽器の多くが、バイオリン発祥の地・イタリアで製作されました。一方で、イタリア以外にも、ヨーロッパ各地に個性的なメーカーが存在します。 

モダン (Modern)

1800年以降に作られたアンティーク楽器。ストラディバリウスなどイタリア製名器の研究が進み、これらを模倣した楽器や長所を取り入れた楽器が多く製作されました。製作やトレードの中心が、イタリアから当時の文化の中心であったフランスやイギリスに移って行き、高品質の楽器が製作されました。また、この時期フランスで近代弓がF.X.トルテにより発明されました。

※ 1800年という区切りは実際には明確ではなく、イタリアンでいえばG・F・プレセンダ(1777~1854)以降をモダンバイオリンと呼びます。この時期は、より多くの聴衆の前で楽器が鳴るようにセットアップが改良され、オールド名器の研究が進みました。また単純な年代の違いだけでなく、これ以降の楽器には新しい様式が取り入れられているため、オールド/モダンと分けて区分しています。

2.  主な製作国の特徴 〜イタリア・フランス・ドイツ・イギリス〜

イタリア

オールド・イタリアン (Old Italian)

バイオリン発祥の地、北イタリアの小都市クレモナでは、アマティ、ストラディバリ、ガルネリ・デルジェスといった名工が活躍しました。彼らによって製作された楽器は、「シルバートーン」と呼ばれる美しい音色を持ち、豊かな音量と多彩な表現力を併せ持つコンサート・バイオリンです。美術品としての評価も高く大変高価。一流プレイヤーにとっても垂涎の的です。クレモナ以外の地域においても、イタリア各地で個性豊かな楽器が製作されました。 

モダン・イタリアン (Morden Italian)

G・F・プレセンダ(1777~1854)以降、トリノミラノなど北イタリアの都市を中心にバイオリン製作が発展しました。モダン・イタリアンの作品は、名器を参考にしながらも、同時期のフランス製、イギリス製とは異なり、作風がオリジナリティに富んでいるのが特徴。しっかりとした作りで、明るく力強い音が出る楽器が多いと言えます。オールド・イタリアンの価格が高騰してしまった現代においては、さらにその存在感が増しており、人気が上昇しています。
フランス

オールドにも質の高いバイオリンは存在しますが、それほど多くはありません。フランスのストラディバリとよばれるN.リュポが先駆けてストラディバリ・モデルを採用したことで、バイオリン製作のレベルが一気に上昇します。

19世紀、文化の中心であったパリには、多くの名器が集まりその研究が進んだため、フォームが美しく、精巧なつくりの楽器が多く存在します。一方で、ミルクールなどで、ファクトリー・メイド(工場製)の楽器が数多く製作されました。
ドイツ


ドイツは弦楽器の一大生産地です。オールド時代にはチロル地方でJ・スタイナーをはじめとする優秀なメーカーを輩出しました。しかし、その後もスタイナー・モデル(当時の流行であったアーチの高い楽器)に固執して製作したため、18世紀、19世紀に製作された楽器のコンサート・バイオリンとしての評価は、余り高くありません。

一方で、マルクイノキルヘンやブーベンロイトなどを中心にファクトリー・メイド(工場製)の楽器が数多く製作されました。

イギリス


楽器の情報が少なかったオールド期には、洗練された楽器を製作するのは難しかったようです。19世紀に入ると、経済の中心となったロンドンには多くの名器が集まります。名器の研究が進むと高品質の楽器が製作されるようになります。

精度を追い求めたフランスと比べると、アンティーク・コピー、レプリカものが多い点が特徴といえます。一方で、ヒル商会など優秀なバイオリン・ディーラーを輩出し、現代のバイオリン・トレードの原型となっています。


※ 上記は一般論に過ぎず、国の作風に合わない例外的な楽器や、その他の国でも素晴らしい出来栄えの楽器が数多く存在します。たとえば「オールド・ダッチ(オランダ)バイオリン」では、ヤコブスカイパスといったオールド・イタリアンに近い出来栄えのものもあります。知識はあくまで参考程度にとどめ、先入観を持たずに選ばれるのも良いでしょう。